うつ病や適応障害で休職するときの引き継ぎは不要です

今の時代、職場が原因で適応障害やうつ病になってしまう人は世の中に大勢います。

そうなると仕事に対するやる気、意欲、集中力などが著しく低下し、人生がつらいものになってしまいますよね。

当然、ご本人としては仕事どころではないはずです。

この状態で仕事を続けても非常につらいでしょう。症状も悪化してしまうかもしれません。

そんなつらい状況でいつまでも居られないですよね。

ですから、

会社を休職する

ということがこれからの選択肢として考えられると思います。

会社から離れられることでだいぶ気持ちが楽になるはずです。

しかし、このときに誰もが直面する問題が業務の引き継ぎです。

今自分が担当している業務が気がかりで心が重くなってしまう方も多いと思います。

でも、

「もう会社には断固としていきたくない」
「できることなら引継ぎもしないでこのまま休みたい」

そう思う方も多いでしょう。

僕は過去に悪環境の会社で限界を迎え休職した経験があります(後に復帰せずに退職)。

休職する直前まで頭がおかしくなりそうなぐらい会社に行くのが嫌でした。

末期には昼休みから会社へ戻る途中に吐いてしまったり、体が震えたりしていたものです。

では、こうなってしまった状況で休職に入るときでも、業務の引継ぎはやるべきなのでしょうか。

様々な立場があると思いますが、結論から言うと無理して引き継ぎを行う必要は無いです。

その理由を見ていきましょう。

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うつ病や適応障害で休職する時に引継ぎをしなくても良い理由

自身を精神的に追い詰めた会社に対する義理などいらない

引継ぎをするべきか否か…で迷うのは

「引継ぎしないと会社や同僚に迷惑をかけてしまう…」
「みんなに白い目で見られてしまいそう…」

という心理が働くためです。僕もそうでした。まぁ、いわゆる義理人情ってやつですよね。

一度はこう思うのは当然のことです。ですが、よく考えみてください。

あなたを休職をせざるを得ない状況にまで追い詰めた会社に対する義理なんて必要でしょうか。

いいえ、不要です

「俺をここまで追い詰めた会社なんて知らん」
「後は野となれ塵となれ」

そう思っておけばいいのです。

勘違いしている方も多いのですが、本来会社と職員というのは対等な関係です。

あなたは会社に雇ってもらっているのではありません。

ただ単に会社と労働契約を結んでいる

だけなのです。

我々サラリーマンの立場からすると、

「あなた方に労働力を提供するから給料ちょうだいね!」

ただこれだけの関係なのです。

日本ではお国柄、雇ってもらっているという感覚になりがちですが、そんな卑屈になる必要はありません。

あくまで労働力を提供しているだけ、会社はお客さんです。

お客さんが横暴な態度を取るならそんな客とは契約を切ってしまえばええ。

つまり、会社があなたに対する誠意を見せないのなら、あなたも会社に対する誠意を見せる必要なんてないんですよ。

休職した会社はそのまま退職した方がいいから

そして、一度休職した会社は絶対に退職した方がいいです。

なぜなら、会社の環境は変わらないものだからです。

もし、休職中に体調が万全になったとしても再びその環境に戻れば症状が再発する可能性は非常に高いです。

一度、休職に入った人が復職後に再び休職に入るというのは決して珍しい話ではありません。

もちろん、そんな状態では仕事のパフォーマンスも良くないですよね。

元の会社に戻ってもベストな状態で仕事ができないんです。

一度休職した会社は退職して、他の会社に転職した方が良いのです。

僕は現在、前の会社とは無縁の会社で働いていますが、適応障害だったことなんて忘れてしまうぐらい、普通に働けています。

しかし、もし前の会社に戻る判断をしていたら間違いなく無事ではなかったと思います。辞めて本当に良かったです。

関連記事:うつ病や適応障害で休職した会社は復職せずに退職した方がいいです

近い将来に辞めてしまう会社のことなんて気にしなくていいんです。引継ぎも不要です。

円満な休職を求めなくても良いから

会社を休み始めるときに、少しでも周りの人に誠意を見せて円満に休職に入りたいと思うでしょう。

ですが、休職に円満を求める必要はありません。

どんなに引き継ぎを頑張って休職に入ろうが、周りは大なり小なり良い気分にはなりません。

それなら、いっそ開き直って突然休職に入ってしまうぐらいの勢いでいいのです。

もちろん、周りの人たちは困惑することも多いでしょう。ですが、気にしなくていいです。

後は上司や先輩が勝手にやってくれます。

そもそも引継ぎしないと業務が回らない会社側が悪い

そもそもがこれです。

休職せざるを得ない状況まで追い詰められるのは、仕事が多いとか、なかなか帰れないとかの要因があると思いますが、一番の理由は大抵は人間関係です。

普段から円滑なコミュニケーションができていれば、お互いの業務状況を把握したり、気軽に相談できたり、困ったときに助け合ったりできるため、休職に至るほど気持ちが重くなることもないでしょう。

そして、そういったコミュニケーションができない環境だったために精神的に追い詰められることが大半です。

さらにいえば、だからこそ引継ぎをしないといけない状況になってしまうのです。

本来ならば、誰かが突然長期的に職場を離れるようなことがあっても、他の誰かがすぐにその仕事に取り掛かれるような状況にしておくのが会社の義務です。

それができていないのは、明らかに会社側の不手際です。

ですから、あなたが突然休職に入って業務が回らなくなるとしたら、それはあなたの責任ではありません。

あなたの仕事を他の人に共有できていないという環境を作り出している会社側の責任です。

それに会社というのは一人いなくなった程度じゃ全然業務に支障はありません。他の誰かが変わりにやるだけです。

それでうまく機能していくものなんです。

だから、気兼ねなく休んでしまっていいんですよ。

この世で一番大切なのはあなた自身だから

そして何よりこの世で一番大切なのは、他の誰でもない自分自身、あなた自身だからです。

会社や上司、同僚よりも自分自身を一番大切にしてください。

とにかく会社に行きたくなくて、藁にもすがる思いでこの記事にたどり着いていることと思います。

それならばその気持ちに素直に従うのが一番なんですよ。

無理をしないで、ゆっくりお休みくださいませ。

こんな時は引継ぎしても良い

ここまで、休職に引継ぎがいらない理由を見てきました。

とはいえ、やはりしっかり引継ぎをしてからの方が、気兼ねなく休職に入れるかなと思うのが人の常です。

もちろん、それができるに越したことはありません。

では、どんな状況ならば引継ぎをしてもよいのでしょうか。

それは「引継ぎをする心の余裕がある」状態であるならばです。

義務感ではなく本心から

「引継ぎをしておきたい」
「一度、会社にあいさつをしておきたい」

と思えるのならばできる限りの引継ぎをしても良いと思います。

ですが、もはやそんな余裕と気持ちが無くなってしまっているならば引継ぎはむしろしないほうがいいです。

何度も言いますが、あなた自身を一番大切にしなくてはいけないのです。

休職を決断したら何をすればいい?

では、もし休職を決断したらその瞬間から何をすれば良いのでしょうか?

ひとつひとつご案内していきますね。

1.まずは精神科を受療

うつ病や適応障害が原因で休職する際に必要になるものが、精神科で発行してもらう“診断書”です。

これは、精神科が

「ちゃんとこの人はうちで受診しましたよ。その上でうつ病・適応障害であることが確認できましたよ」

と証明してくれるものです。

これが無いと会社にも休職の説明ができないですし、後述する傷病手当金が貰えないので必ず手に入れましょう。

ただ、Google口コミで上位にくるような人気な病院は基本的に初診にも予約がいることが多いです。

長い場合1ヶ月,2ヵ月ぐらい先まで埋まっていることがあります。

今すぐにでも休職したいのに、そんなに待てないですよね。

そこでおすすめする方法が、しらみつぶしに病院を調べるということです。

探せば予約無しで受け入れてくれる病院もたくさんありますから。

まずは、みなさんがお住まいの地域にある精神科を全て調べてみましょう。

厚生労働省が運営する全国医療機関検索というサイトがありますので、こちらで探してみると良いと思います。

そして、ひとつひとつの病院に直接電話して、。

「予約無しで受診できますか?」

と聞いてみてください。

恐らくひとつぐらいは即日で受け入れてくれる病院があると思いますよ。

それでも見つからない場合は、最短で予約が取れる病院で受診しましょう。

そして、無事に受診することができたら、必ず

「会社のことを考えるだけでしんどい」
「今すぐ休みたい」
「そのために診断書を書いて欲しい」

と今の自分の気持ちを素直に話してください。

僕はそれで、診断書もその場で書いてくれました。

さて、受診する前に病院の口コミが気になる方も多いと思います。

「受付の対応が悪かった」
「患者に寄り添ってくれない感じがした」

とかね。悪評はどの病院にもあるものです。

そんなものは一切気にしないでください。

今、我々が欲しいのは精神科が発行する“診断書”です。

これさえ手に入れば、休職することが可能ですから。

手段は選ばず、死にもの狂いで手にいれましょう。

なんなら悪評がついている病院の方が、空いていることが多くスムーズに受診できますよ。

そして、大抵は口コミとは反して親切にしてくれるものです。

安心して受診してくださいね。

2.「休職する」と会社に電話する

無事に精神科に診断書を書いて貰えたら、こっちのものです。

次に会社に電話します。

「最近、体調が優れなくて精神科にかかった」
「そこでうつ病、適応障害だと診断された」
「医者から会社を休むように言われた」
「申し訳ありませんが、今日から休職させていただきます。」

と伝えましょう。

上司と直接話せるとスムーズだと思いますが、総務の方でも誰でも良いと思います。

もしかしたら、

「引継ぎをちゃんとしてくれ」

などと言われるかもしれません。

ですが、何度も言うようにあなたが引継ぎをする必要はありません

もし、そんなことを言われたら

「病院から今すぐ休むように言われているので、すみませんが対応できません」

と言い返してやりましょう。

病院を盾にすれば、お相手も強く言えなくなりますから、これでOKです。

はい、これでとりあえずみなさんはしばらく会社に行かなくて良くなりました!

おめでとうございます!!

その後は、会社によって細かい手続きは異なると思いますが、基本的には郵送や電話のみでやり取りできることでしょう。

余程のことがなければ、会社に行かなくても休職の手続きができます。

3.傷病手当金の申請を行う

会社を休職することが確定したら、次に行うことが“傷病手当金”の申請です。

傷病手当金とは、サラリーマンのみなさんが加入している健康保険の制度です。

病気やケガで働けない状況になり、給料が貰えなくなった人が申請できるもので、いつも貰っている給料のおよそ3分の2の金額を毎月支給して貰えます。

休職すれば当然給料も入らなくなりますから、生活が立ち行かなくなってしまいます。

そういう人たちを助けるための制度です。

僕もかつてこれを貰っていました。当時はかなり助かりましたよ。

傷病手当金の詳細については協会けんぽの公式HPより病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)をご覧ください。

制度について分かりやすく説明してくれています。

なお、申請方法ですが、一般的には働いている会社にやってもらうことになります。

ですので、制度を理解したうえで会社に電話して

「傷病手当金を申請したい」

と必ず伝えましょう。

その後は会社側から必要事項の説明と書類送付をしてもらえるはずです。

無事に傷病手当を申請できれば、休職中でも最大1年6ヵ月はお金が貰えます。

その後は気兼ねなく、体と心を休めてください。

4.思いっきり休む

さぁ、ここからはとにかく思いっきり休んでください。

会社とのやり取りも必要最低限メールでOKです。

寝たいときに寝て、起きたいときに起きる。

食べたいときに食べ、出かけたくなったら出かける。

そんな自由な生活を満喫してください。

読書なんかも心がおだやかになるのでいいですね。

5.休めるだけ休んで会社を退職する

そして、会社を休めるだけ休んでください。

休職期間が終わったその後は、僕のおすすめとしてはやはりその会社は辞めるということです。

どうしても、一度休職した会社に戻るというのはうつ症状の再発を招きやすいです。

僕自身、休職した会社を辞めています。

今ではその選択をしたことが絶対に正しかったと思えますし、辞めて本当に良かったと思っています。

このことに関しては、以下の記事に詳しくまとめておりますので、良かったらご覧ください。

うつ病や適応障害で休職した会社は退職した方がいいです。転職して全然OK

しかし、長い間休職している状況から、会社を辞めますとはなかなかいいづらいかもしれません。

僕の場合、休職期間終了とともに会社に直接行き、総務の方に辞めると言いました。

ですが、そのときも会社に行くのが嫌で嫌で仕方無かったです。

もし、会社に直接連絡できるほど心が回復しているならば、それが一番です。

ですが、それすらハードルが高くて無理という場合は、“退職代行サービス”を使うのも全然ありです。

仮に僕が辞めた時に退職代行があれば迷わず使っていたと思います。

それほど会社に行くのが無理でした。

今では【退職代行ガーディアン】
という労働組合が運営する退職代行サービスもあります。

民間サービス特有の不手際など無く、間違いなく安全に退職できます。

もし、自分で退職を伝える心の余裕が無ければ迷わず使ってみてください。

6.ハローワークで失業手当を申請する

そして、無事に会社を退職できたら、“失業手当”を申請しましょう。

こちらも傷病手当金と同じく働いていない状況でも貰えるお金になります。

ただし、失業手当金を申請するためには、ハローワークで休職活動を行っているなどの必要条件があります。

失業手当金については、DODAのHP雇用保険の失業手当(失業保険)を受け取る条件と手続きが分かりやすいので、こちらを参照してみてください。

7.社会復帰を目指す(おすすめは公共職業訓練)

そして、ここからは社会復帰を目指すことになります。

転職サイトに登録したり、エージェントを利用することも良いでしょう。

ですが、僕が一番おすすめする方法が“公共職業訓練”を受講することです。

公共職業訓練とは失業手当を受け取りながら、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を無料で受けられるハローワークの制度のことです。

受講期間は訓練コースによって異なりますが、大体3ヵ月から6ヵ月ぐらいです。

職業訓練に関しては厚生労働省公式HPよりハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を見ると分かりやすいと思います。

僕も実際にここで”溶接”の訓練学校に通いました。

通って良かったと思えることはとにかく、同じ境遇の仲間がたくさんいたことでした。

公共訓練学校に通っているのは、理由はそれぞれあれど、みんなが会社を辞めて今後のキャリアに不安を持っている人たちです。

会社を逃げるように休職し、退職し、自信を無くしていた自分に取って、この同じ境遇にいる仲間たちが本当に心強かったんですね。

そして、良い仲間たちと担当してくれた良き先生のおかげで元気を取り戻し、その後は溶接の仕事に就きました。

無事に社会復帰を果たせたわけです。

ちなみに最初から溶接業に興味があったわけではなく、単に倍率が低い人気の無さそうな訓練だから選びました笑

それでも途中から、溶接という世界が意外と奥深く楽しいものだと知っただけです。

さいごに

さて、ここまでうつ病や適応障害で休職を検討している方へ進む道をご提案してきました。

もちろん、これが誰にとっての正解だとも限りません。

休職した後に同じ職場に復職した方が幸せかもしません。

ですが、僕はこの道を辿って今の充実した生活があります。

もし、もう会社に行くのがしんどくてしんどくてどうにもならない方に少しでも参考になれば幸いです。

まとめ

あなたをうつ病や適応障害に追い詰めた会社に対する義理など不要です。

迷惑を掛けても全く問題ありません。

僕も引継ぎ無しで突然会社から消えましたが、どうにでもなっていますし、今では違う会社で何事も無かったように元気にやっています。

余程、心に余裕がある状態ならば引継ぎが可能かもしれませんが、休職にまで追い詰められているときは大抵そんな余裕は無いです。

ですから、基本的に引継ぎなしで休んでしまえばいいんです。

そして、そのまま今の仕事を辞めてしまっても良いんです。

ご自分のことは誰よりもご自分が大切にしなければなりません。

まずはご自愛くださいませ。

心が落ち着いてきたらそこからまた仕事探しなりなんなりすれば良いんですよ。

人生というのはみんなが思っているほど重たくはないですし、案外どうにでもなってしまうものですから。

ここまで読んでくれたあなたが今後より良い人生を歩むことを心から応援しています!

 
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