うつ病の治療に筋トレは本当に効果的なのか?筆者の経験談

「99%の問題は筋トレで解決できる」

という理論を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

これは『筋トレが最強のソリューションである』が代表作の著者Testosteroneさんが提唱している理論です。

簡単に言うと
「筋トレをして体を鍛えることで自信が付いて、心に余裕が持てるようになり、その結果として何事もうまくいくようになりますよ」

ということです。

元々私も体を鍛える習慣を持っていましたし、体を鍛えることによる精神面への好影響を何度も経験しております。

確かに筋トレやランニング、水泳やサイクリングなどで体を鍛えていたときは、日々溢れる自信を感じていましたし充実感に包まれていました

ですから、少し大げさなこの理論ですが、間違いないことだと実感しています。

ただし、これは私が心身ともに健康だったときの話です。

最近ではこの理論が一人歩きして「精神が病んでいる人も体を鍛えると症状が良くなる」という捉え方をされるようにもなってきています。

つまり、うつ病の治療に筋トレが効果的だというのです(ちなみに私も以前はこの考え方をしていました)。

うつ病の人は「テストステロン」「セロトニン」といった精神バランスを安定させるホルモンが慢性的に不足している状態にあります。ですから、そういったホルモンを分泌できる筋トレがうつ病に効果的だという理論はたしかに分かります。

ですが、結論からいうと「筋トレはうつ病治療になり得ない」です。

私はかつてうつ病にまでは至りませんでしたが、メンヘラ彼女と職場のダブルパンチによって適応障害(うつ病一歩手前の精神病のことです)を患いました。精神的に非常にまいっていて、日々辛かったです。

この当時は私自身、体を鍛えることで自分のメンタルを持ち直せると思っていました。ですから、辛い日常の中でも体を鍛えるようには心がけていました。

ですが、一向に体の調子が良くなる気がしませんでした。

どうやら精神的につらいときに体を鍛えても心身ともに健康のときとは事情が違うみたいです。

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(健康時)筆者が感じた筋トレによる精神面への好影響

もちろん、体を鍛えることによる精神面への好影響は素晴らしいものです。まずは、私が健康体だったときに筋トレなどで体を鍛えていたときに実感した好影響を簡単にご紹介します。

毎日が楽しくなる

体を鍛えると日々自分の成長を感じられます。鏡を見ながら日々絞られていく自分の体を眺めるのは非常に楽しいです。

ゆえに、毎日が楽しくなります。

自尊心が満たされる

自分の成長を感じられると自分のことがどんどん好きになっていきます。

「俺もやればできるじゃん!」
「ここまで鍛えられる人はそこまでいない。俺はすごいんだ!」

という自信が生まれ、自尊心が満たされます。

心に余裕ができる

そして、その自信が心の余裕を生み出してくれます。

例えば仕事などで何か問題が発生したときも

「俺はできる人間なんだから、もっとリラックスして問題に対処しよう!」

と焦らずに物事に取り組めるようになります。

頭が良く回るようになる

心に余裕ができると思考の幅が広がります。今までは固定概念で考えていた物事を冷静に分析するといったことができるようになります。

また、集中力も格段に上がるので日々の活動をスピーディにこなせるようになります。

人に優しくできる

自分に余裕ができるため人に優しくなれます。何か嫌なことがあっても、人に当たることなんて絶対にしませんし、嫌なことをされても

「この人は何かつらいことがあってこういうことをしてしまうんだろうなぁ…」
「だから、こういう行動をとってもしまうのも仕方ないのかな?」

と一歩引いてその人の行動理由を考えることができるほどになります。

良い影響が好循環する

自信がつき、仕事ができるようになったり、人に優しくできるようになると周りの環境も良くなってきます。

それがまた良い結果を生み出すという好循環が起こります。

体を鍛えることによるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

だけど適応障害時に筋トレをしてもつらいだけだった

上記の通り、筋トレなどで体を鍛えると毎日が充実感に溢れ、仕事や趣味にも精力的になれるのです。

しかし、適応障害という精神病にかかってしまったときに筋トレをしても、上記の効果は得られず逆に辛いだけだった思いがあります。

当時の心境を振り返ってみました。

集中力が続かない

体を鍛えるためには実は集中力が必要不可欠です。

健康な人は普段から当然のようにできていると思いますが、力いっぱい体を動かすときって意外と集中力を使うんですね。

例えば、ダンベルを上げるトレーニングひとつを取ってもそうです。重いものを持ち上げるときにぼーっとしませんよね。恐らく誰もが手に持っているダンベルに意識を集中させているはずです。

しかし、適応障害やうつ病にかかっている人は著しく集中力が落ちています。そんな集中力が散漫な状態では、まず体に力が入りません。ですから、トレーニング効果も非常に悪くなりますし、続けるのが困難になります。

ダンベルを手に持っても意識はぼーっとするし、腕に力が入らないのです。

意欲が沸いてこない

体を鍛えるモチベーションの源泉になるのは

「痩せたい」
「モテたい」
「彼女が欲しい」
「仕事で自信をつけたい」
「健康体でいたい」

など、誰もが持っている欲望です。

なぜ私が体を鍛える習慣を付けていたいたかというと、まさに上記5つの欲を満たしたかったからです。だから、多少つらいトレーニングもこなせていました。

しかし、こと適応障害やうつ病の状態にある人は、こういった意欲がそもそも沸いてこないのです。そこにあるのは正体不明の焦燥感と不安感です。

「彼女なんていらないし、モテたいとも思わない。性欲もない。仕事もどうでもいい。」
「これからどうしていけばいいか分からない。何がしたいのかも分からない。不安だ。」

このような心境です。

私も精神的に病んでいたときは、かつては溢れ出んばかりあった欲望が見事に無くなっていました。だから、筋トレなんてやる意味を感じられないのです。そもそもそんな心の余裕もありません。

健康なときには楽しみながらやっていたランニングのトレーニングも適応障害のときは全く面白みを感じることができせんでした。
1時間走ろうと決めて外に出ても、10~15分ぐらいでやる気が無くなって家に戻ってしまってましたね。

健康なときにはつらいトレーニングの中に充実感を感じていましたが、この時は充実感など皆無で、本当につらいだけでした。

心身ともに健康でなければ、筋トレなどで体を鍛えるなんてことはとてもじゃないですができないのです。

過去にできたことができない焦り

健康体のときは楽しみながらやっていた筋トレやランニングが思うようにできない。それが、またつらいのです。

そして更に症状が悪化していく。そして、なんとか体を鍛えようとするけどうまくいかない…

という悪循環になってしまいました。

体を動かすことは確かに良い…けど

ただ、体を動かすことは確かにうつ病治療の助けになります。特に散歩や家事といった軽い運動は非常に効果的です。

それでも人によっては軽い運動さえも困難なこともあります。幸い私はうつ病一歩手前でメンヘラ彼女や会社から離れることができたので、軽い運動程度ならばできる状態でしたが、もしそれ以上症状が進行していたら散歩もできない精神状態になっていたかもしれません。

通常、負荷の大きい筋トレから負荷の軽い散歩までのどれを取っても、身体的に良い影響を与えてくれます。

しかし、それができない状態のときに無理にしようとするとよりつらい症状を進行させる結果になってしまうこともあるのです。

まとめ

筋トレによる精神面への好影響は間違いなくあります。ですが、それは心身ともに健康である人に通用する理論です。

うつ病などの精神病にかかっている人には反対に悪影響を与えることもあります。

健康体の人の理論が必ずしも、つらい状況にある人にも当てはまるとは限らないのです。

ですからもし、あなた自身がうつ病を患ってしまっても無理に体を動かす必要はありません。

また、近くにそういった状況の方がいる人は、筋トレや運動などを無理強いさせてはいけません。あなたには良い影響を与えることも別の人には苦痛でしか無いことも世の中には存在するのです。

ここまで読んでくれたあなたが今後より良い人生を歩むことを心から応援しています!

 

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